お久しぶりです。
七月末に台湾で第一子が誕生しました。
少し遅れて盆休みに一週間程顔を見に台湾に行ってきました。

台湾旅行2018


嫁さんは産後二週間ほど産後ケア施設に入っていました。台湾で出産したのはこの産後ケアサービスをうけるためです。
日本ではまだまだメジャーではありませんが、産後のお母さんと赤ちゃんの世話を全てしてくれるこのサービスは本当に素晴らしい。台湾の産後ケアについては、またちゃんとした記事として纏めたいと思います。

産後ケア 台湾

入院した産後ケア施設では、個室で赤ちゃんを常時モニタリングできる環境が構築されていました。

ベビー室の赤ちゃんの容器の上にIPカメラが設置されており、部屋のTVモニターに信号が送られています。
これがすごく便利で、赤ちゃんが泣いたり乳を欲しがった時はベビー室に内線ですぐに取りつけできるようになっていました。
その時思いました、この環境を自宅にも作れないだろうか。そして出来れば、台湾の家族にも赤ちゃんのモニタリングができるようにしてあげたい。赤ちゃんは10月に日本に連れて帰る予定になっています。

赤ちゃんのモニタリングですが、時代の進歩は凄い。
既にベビーモニターという便利なグッズが商品化されているようです。
IPカメラのネットワークカメラタイプもでており、スマートフォンで遠隔地から専用のアプリケーションを使用してモニタリングできるようです。

確かにこれを導入してやれば求めている遠隔地からのモニタリングはすんなり達成できそうです。
しかし、映像を業務としてやっている以上、もう少し何か既製品と差別化できるワンランク上の環境を構築したい。

その為に、まずは既製品のベビーモニターの足りない部分を書き出してみるとします。

ちなみに、製品のネットワークカメラ型のベビーモニターは試聴の接続上限が2端末とかです。試聴にはネットワーク接続のパスワードの入力が必要であったりと、全ての家族が同時にモニタリングすることは不可となっているようです。


既製品ベビーモニターの問題点

・カメラ画質の問題
ベビーモニターに起用されているカメラは総じて画質が悪いです。基本的にウェブカムの流用となりますので、いくら解像度を上げてもカメラ自体の性能が低くズームやフォーカスに問題があります。

・モニタリング画質の問題
付属モニターはおもちゃ程度の液晶ですし、アプリケーションを利用する場合も基本的にwebcamレベルの映像しかモニタリングできません。

・モニタリング側の問題
機種によっては複数端末で同時にモニタリングできるようですが、そもそもネットワークカメラは接続に設定が必要。
祖父母世代にレクチャーするのが難儀という問題があります。
できれば、台湾の家族や日本の家族、仕事中の私やその他たくさんの不特定多数の人に同時にモニタリングできるような環境を構築したい。

ライブ配信を活用した24時間リアルタイム映像の配信

そこで辿り着いたのはライブ配信プラットフォームを活用したリアルタイム映像配信。
ベビーモニターのIPカメラのような独自のネットワークやプラットフォームではなく、サービスとして開放されているライブ配信を活用する方法です。

ライブ配信はYouTubeやFacebook、Twich、ニコ生等たくさんのプラットフォームが存在しますが、今回最もメジャーなYouTube Liveを利用してLIVEストリーミング配信を行うことにしました。

YouTube LIVEの特徴

YouTubeのLIVEストリーミングは何といっても試聴が簡単。YouTubeは曾祖父母世代でもスマホさえあれば試聴できますし、最近はテレビのOSでの試聴も可能ですね。
4Kや360°ストリーミングにも対応しており、チャットで試聴者ともやりとりできます。
おまけに、最近ウェブカムからの直接の配信が可能となりましたので求めている機能は全て揃っています。

YouTube Liveで赤ちゃんのリアルタイム配信を行う際の問題点

問題になるのはカメラの性能と配信側のPCスペックの問題。
カメラはウェブカムを使用するとどうしても性能が劣りますし、キャプチャボードを利用してビデオカメラの映像を高画質で取り込んだ場合は、ソフトウェアエンコードが必要となり配信側のパソコンのスペックが求められます。
幸い我が家は業務で映像制作を行っているため、4Kネイティブでリアルタイム配信できるパソコンがあります。
しかし、常時リアルタイム配信すると他の作業ができなくなります。
できればサブのMacBookで配信できるようにしたい。

ビデオカメラの映像をウェブカムとして認識取り込みできるキャプチャデバイス

調べてみるとビデオカメラの映像をウェブカムとして認識取り込みできるデバイスがあることがわかりました。
これを使うと手持ちの4Kカムをウェブカムとして活用できるようです。これぞ正に求めていた製品!

まず候補に上がったのがAVerMedia BU110という製品。価格は25000円前後

酢昆布サイズのコンパクトな媒体、バスパワーで1080 60Pという高画質キャプチャが可能、パソコンと接続するだけでウェブカムとして認識してくれるデバイスです。
これはかなり良さそうですね、求めている機能を全て網羅している便利な製品です。
ポチる寸前のところまできましたが、気になるレビューを見つけました。

・ソフトウェアエンコードのため配信にパソコンスペックが求められる

・中華製品のため挙動が不安定。通信が乱れることがある

映像制作業務を行う上で学んだ最も大切なことは安定性。どんなに高画質な撮影や配信ができたとしても、不安定であることは一番避けたい事象です。

AVerMediaは良い製品をたくさん出していますが、格安中華製品はリスクも付きもの。
また配信パソコン側のスペックも求められるとのことで、MacBookでの配信が怪しくなってきたので一旦保留。

その後別の製品を入念に調べて見つけたのがこちらの製品。

Blackmagic Web Presenter

Blackmagic DesignのWeb Presentは4K60Pまでの入力ソースを自動で720Pに変換し、ウェブカムとして認識しキャプチャできるデバイス

おお、これも良さそう!
Blackmagicはシネマや映像業界でよく使われているプロご用達のブランド。格安中華と比べると倍以上の値段になりますが安定性は抜群。

ハードウェアエンコードのためパソコンスペックは不要、ウェブカムを繋いだときと同じ負荷しかかからないのもポイント。
720PでUSB2.0というのは少し入力ソースとしては弱いですが、裏を返せばあらゆる環境で使い回し可能。
今後業務でも使えるので、Web Presenterを導入してリアルタイム配信の環境構築をすすめることにしました。
価格はオプションの液晶パネルデバイスと合わせて日本円で7万円ほど。

早速注文してWeb Presenterが手元に届きました。業務機だけあって流石にしっかりとした造りの製品です。

Blackmagic Web Presenter
Blackmagic Web Presenter


HDMIとSDIの2系統入力に加えて音声も別入力可能、オプションパネルでスイッチングも行えるので2台のビデオカメラが接続可能。

Web Presenter


PCへ繋ぐとすんなり認識しました。
YouTubeのLIVEストリーミング画面のカメラから配信機能を選択すると、これまたすんなり取り込んだビデオカメラの映像が表示されました。

実際に4KカムとWeb Presenterを使ってLIVEストリーミング配信のテストをしてみました。配信アーカイブ動画がこちら。



720Pで十分ということがわかりました。
やはり解像度よりフォーカスやボケ、色の再現の方が重要であるということがよくわかります。
4分45秒あたりからのズーム時の映像、これはどれだけ高画質なウェブカムでも撮れない画です。
赤ちゃんの表情を捉えるには、パンフォーカスのウェブカムよりビデオカメラソースの映像の方が向いていますね。

配信用のビデオカメラ

ビデオカメラはSONY FDR-AX700を使用。
昨年末に、4Kカムのフラッグシップ機であるAX100の後継機として発売されたビデオカメラです。
AX100からの変更点は、オートフォーカスの強化、バッテリーなしでの給電同時撮影、HDMI端子の変更、4K撮影時のHDMI出力。
この変更点が今回の環境構築に一役買っています。
AX100はバッテリーなしでの給電ができなかったため、常時機動には向きませんでした。
HDMI端子もA端子となり、位置も背面に移動。4K撮影時のHDMI出力も可能となったため、ウェブカムとして配信しながら本体で4K録画を行うことが可能になりました。

オートフォーカスの精度があがったので、赤ちゃんが動いても楽々追従可能です。
このクオリティの画を24時間リアルタイム配信できて、台湾の家族にも見せられるのであれば十分といえるでしょう。

構築した赤ちゃんモニタリング環境

FDR-AX700→Blackmagic Web Presenter(←音声入力としてzoom H2nレコーダー)→PC→YouTubeLive→スマートフォン

リアルタイム配信環境構築により、台湾と日本の家族がいつでも赤ちゃんの様子を観られるようになりました。それだけでなく、私自身も仕事や出先から確認でき、嫁さんも別室やトイレに行っている間も常にスマホ経由で赤ちゃんを監視しておけます。

遅延ですが、YouTubeLiveに遅延なしモードが追加されたのでそちらをチェックしておくとほぼオンタイムです。
従来の監視目的のモニタリングも併用できています。

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こんな感じで三脚にFDR-AX700を固定、バッテリーを抜いてアダプター給電設定

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Web Presenterでノートパソコンへと送ります。

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配信映像から切り出したキャプチャ画像。
ズームが使えるので表情までくっきり。

音声もクリアに拾えます。
常時配信だとプライベートな会話も垂れ流しになるので、必要に応じてYouTubeLIVEのプラットフォームでマイクのオンオフを切り替えています。

如何でしょうか、今回はライブ配信プラットフォームとビデオカメラ、キャプチャデバイスを用いて赤ちゃんのモニタリング環境を構築する方法を紹介しました。
私たちのように家族が海外にいて赤ちゃんに会えないケースは稀ですが、それでも遠方でなかなか会いにこれない人も多いでしょう。
孫の姿を曾祖父母に見せてあげる方法として最適なんじゃないかなと思います。

私の自宅と同じ環境を構築するための費用を載せておきます。

FDR-AX700→20万円
Web Presenter→7万円
zoom H2n→1万円

一から構築となると高額になってしまいますが、そこは予算とご相談ください。
Web PresenterをAVerMedia BU110にするのもよし、単純にウェブカムにするのもよし。
いずれにしてもモニタリングには優秀な環境だと思いますので、是非お子さんをお持ちのご家庭の方はご活用ください。